ナサスの上級クイズ – LoLマニア向け

成人したナサスは、際立って優秀な者のみが入学を許される太陽の名門校の寄宿舎に迎え入れられた。帝国一の優秀な教師陣に師事し、兵法と兵站について理解を深めたナサスは、やがて史上最年少の将軍となった。彼の非凡な才能は実戦ではなく、戦略を練ることにおいて真価が発揮された。

しかしいくら勝利し称賛されても、ナサスが戦いに魅了されることは決してなかった。戦いがシュリーマにとっていかに重要かを理解はしていた──少なくとも今は、帝国が発展していく上で通らねばならぬ道だ。だがナサスにとって、己が成すべきシュリーマへの最大の貢献とは、知識を収集し征服の後の世に残すことであった。ナサスが読破し、論じてきた本や巻物、教え、文化史は全て、シュリーマ全土の図書館や博物館に保管された。後の世代に知識を残し、教え導くため、そうするように彼が言いつけたのだ。

数十年に渡って誠実に務めを果たしてきたナサスを残酷な運命が襲った。重い消耗性疾患にとらわれたのだ。帝国の医師はこう診断した。回復の見込みはない、ナサスは一週間も生きながらえないだろう、と。

シュリーマの民は悲嘆に暮れた。帝国にとってナサスは輝ける星であり、誰からも愛される英雄だった。皇帝は自ら、この偉大な男の功績を太陽の円盤の前で見極めるよう超越者の神将セタカに乞うた。

一昼夜が過ぎたころ、セタカの使者はナサスに超越を授けると宣言した。彼は衰弱していたが、儀式はすぐさま執り行われる必要があった。

皇帝アジールが超越の儀に臨んだが、それは惨憺たる結果となった。その日都を離れていた兄弟は、即座に引き返した──だが、もはや手遅れだった。累々と横たわるシュリーマの民の屍の上で、二人は皇帝アジールを裏切り邪悪なエネルギーの塊となったゼラスと戦ったが、その息の根を止めることはついにかなわなかった。