メルの上級クイズ – LoLマニア向け

ようやく今、ノクサスへと向かう船に揺られながら、現実が身に沁み始めているの。お母様はまた、行ってしまった。けど今回はもう、あなたの帰りを願うことも叶わないのね。

あなたはきっと、こうして悲しむ私を見たくないはず。むしろ胸を張れと言うわね──私はついに、あなたがあれほど望んだ“狼”になれたのだから。それでも、つい考えてしまう。あなたは私のためを思って、そうしたの？それとも、己の理想を押しつけただけなの？

多くのことが変わったけれど、私の一部は十年以上前と変わらず、途方に暮れたまま。振り返ってみれば、ピルトーヴァーに到着した私を出迎えた、従兄弟のジャゴのそぶりは──哀れみに満ちていた。あなたは私を送り届け、引き渡し終えると、迎えには戻らないと言い切った。それでも、何年もの間、私は母を恋しがる普通の娘のように、あなたを恋しがりながら眠りについたわ──どれほど心が傷ついていても。そして毎朝、あなたが置き残した空白と共に目を覚ました。私はその空白を埋め、自分が母親の愛に値することを証明するために、人生を捧げてきたの。

今ならわかる。お母様はお母様なりに、私を守ろうとしたのだと。私にこんな力が眠っているなんて、想像もしなかったけど、あなたが亡くなってから、自分の過去について色々と考えさせられたわ。本当にものすごい力ね──だからこそ、私もあなたのそばで戦いたかった。長年、黒薔薇団に追われていたあなたがどんな気持ちでいたか、私には想像もつかない。けど、これだけはわかる。お母様が何かを恐れていたとすれば、それは自身の死ではなく、キノと、私を失うことだったのだと。そして結局、私があなたの破滅を招いてしまった。おそらくあなたは最初から、私こそが脅威だとわかっていたのね。

私はもうすぐ、よそ者として故郷に帰り着く。味方の守衛たちですら、口には出さずとも、本心では私をメダルダ家の一員とは見なしていない。力を重んじながらも、流血の上に築かれた国は、私が誇れる祖国とは呼べない──そして混乱が続く中、傍観を決め込むつもりもない。私はあなたから生き残る術を教わり、自ら生き抜く術を学んだ。あなたがいくら私に“狼”の生き方を押しつけても、私は“狐”の流儀を手放さない。決して。

たとえあなたの望んだ形ではなくとも…私は故郷へ帰るわ、お母様。

そして、この国を変えてみせる。

我が鼓動が止まるその時まで。

あなたの娘、メル