ニダリーの上級クイズ – LoLマニア向け

数匹の仔をつれた母親がニダリーへと近づいた。彼女の発していた匂いがそうさせたのか、それとも母親の直観か──正確なところはわからないが、母パッカは奇妙な子供を何の迷いもなく受け容れ、彼女を従えて、あるいは引きずるようにして棲家に連れ帰った。

夏の雨が激しく降りしきる時期に、彼女は初めてキィラッシュ族と遭遇した。キィラッシュは狩りを専らとするヴァスタヤの部族で、季節ごとに価値ある獲物を求めて森の深くへと足をのばし、自らの力を誇示できるような戦利品を獲ってくる習わしがあった。ニダリーの母は彼らを追い払おうと奮戦したが、その剣と槍によって傷つき、倒れてしまった。

時を経るにしたがい、彼女は自分の力を巧みに操れるようになり、今では自在に姿を変えられるまでになった。新しい姿にもだんだんと慣れ、パッカーたちには馴染みのない罠や武器を作ったり、ハニーフルーツから軟膏を調合したり、自分の縄張りを主張し、飾りつける目的で種子や花を用いたり、周囲のものを活用することを覚えていった。しかし心の片隅では、自分以外に姿を変えられるパッカーはいないのだろうかという疑問を抱いていた。

自分と似た者に会いたいという想いがあったからだろう、ニダリーはカメレオンのようなさすらい人ニーコと巡り合い、しばらくの間、離れがたい関係になった。ニダリーはこの詮索好きな新しい仲間に進んで物事を教え、二人はジャングルの様々な不思議を一緒に探索することに歓びを見出した。だがやがてニーコは運命の導くままに彼女のもとを離れ、シュリーマの岸辺の彼方へと旅立っていった。